ネギ侍の鍛錬場

趣味に関する記事を投稿します。

【FEエンゲージ】”星玉の加護”を使いこなすには?

こんにちは。

ネギ侍と申します。

Twitter:@NgPKHo1O)

 

 

今回は私の好きなゲームの一つである、ファイアーエムブレムエンゲージ(FEエンゲージ)に関する記事となります。

(※本編のネタバレを含みます)

 

今回の記事は、FEエンゲージの本編攻略において”星玉の加護”の活用方法に焦点を当てた記事をまとめていきたいと思います。

 

 

 

尚、この記事で使用しているデータなどは以下のサイトを引用しています。

ファイアーエムブレムエンゲージ完全攻略本(徳間書店

https://www.pegasusknight.com/wiki/fe17/

https://hyperwiki.jp/fee/

 

 

この記事は以下の項目から構成されています。

 

【1】導入

【2】性能評価・考察

【3】”星玉の加護”活用方法・条件等

【4】総括

 

 

【1】導入

 

 

FEエンゲージはユニットの兵種・紋章士(絆の指輪)・継承スキルの組み合わせによって、多種多様な育成・運用が可能となります。中でも今回の記事で焦点を当てる”星玉の加護”は「全ての基本能力成長率+15%」という効果を持ち、育成時に非常に役にたつ効果となっています。

 

今作の成長システムには『固定成長』方式があり、この成長方法では「レベルアップに応じて成長率を積み立てていき、合計が100%になったタイミングでステータスが1アップ」します。例えば、個人成長率と兵種成長率の合計が50%の場合、レベルアップ1回毎に50ずつ積み立てられるため、レベルアップ2回に1回ステータスが1上がります。合計成長率が35%なら3回に1回、30%なら4回に1回の計算になります。育成方法を効率良く行うためには、主要なステータスは可能な限り50%に到達するようにし、優先度が低いステータスであったとしても35%に到達することを目指したいところです。ここに”星玉の加護”スキルが乗ることによって、通常時は合計成長率が35%だった場合でも15%加算されて50%に到達するため、ステータスアップのタイミングが「3回に1回」から「2回に1回」に短縮されます。こうした恩恵から「”星玉の加護”を使えば誰でも最強になれる」といった評価が散見されるのも理解できます。

 

これまで私は”星玉の加護”を採用・不採用の両方の場合で様々な運用を試してきましたが、本編の攻略においては”星玉の加護”が足を引っ張る状況を感じる場面が多々ありました。従って、今回の記事では、本編攻略において『”星玉の加護”を効率よく使いこなす』方法を念頭に考察していきたいと思います。

 

 

【2】性能評価・考察

 

 

(1)”星玉の加護”の恩恵

 

 

”星玉の加護”は紋章士チキの腕輪装備時、またはチキとの絆レベル5で継承解放後SP1500を消費して継承し、継承スキルをユニットに装備することで効果が発動します。【1】章で触れた”星玉の加護”の恩恵について、私が運用する上で最も”星玉の加護”を継承する機会の多かった『セリーヌ×フロラージュ』を例に整理していきます。

 

以下の表に、セリーヌの個人成長率とフロラージュの兵種成長率、個人+兵種の合計成長率と”星玉の加護”が乗った合計成長率、ステータス限界値をまとめます。

 

 

個人

成長率

フロラージュ

兵種

兵種+個人

+”星玉の加護”

ステータス

限界値

HP

50

5

55

70

56

35

10

45

60

36

魔力

25

15

40

55

39

30

5

35

50

27

速さ

45

5

50

65

42

守備

30

5

35

50

24

魔防

40

15

55

70

36

幸運

50

20

70

85

53

体格

5

0

5

20

11

合計

310

80

390

525

268

 

セリーヌの運用方法については過去に記事にまとめていますので、詳しくはURLより記事に飛んで参考にしていただければと思います(https://n-goemon.hatenablog.com/entry/2023/07/29/210152)。

 

セリーヌを専用兵種の”フロラージュ”で運用する場合、力と魔力成長率が均等に配分されていますが、両方ともレベルアップ3回に1回上がる数値になっていることから、物理や魔力に特化したユニットと比べると火力不足になりやすい特徴があります。ただし、”フロラージュ”Lv.5で習得可能な”華炎”スキルにより、「技%で魔法攻撃には力の半分を、その他の攻撃には魔力の半分をダメージに追加する」という効果で火力が補強されます。よって、例え魔法メインで運用する場合であっても力の数値が”華炎”によって火力に関わることになります。従って、セリーヌに関しては全てのステータスが重要な役割を持つため、”星玉の加護”による恩恵がより大きくなります。表を見ていただければわかる通り、”星玉の加護”の効果が乗ることで体格を除く全ての成長率が50%に到達し、レベルアップによる成長効率が飛躍的に高まります。加えて、セリーヌはチキの外伝解放より早い本編4章で加入し、杖による経験値獲得も可能な”フロラージュ”の使用武器などの要素も合わせると、”星玉の加護”の恩恵をより多く・より長く受けることができます。

 

私が”星玉の加護”による恩恵で最も評価しているのは、「体格に成長率+15%」の補正が入ることにあります。上記のセリーヌの場合のように、体格成長率が5%以下の極めて低い成長率となっているユニットが多数います。今作の体格は武器の重さによる攻速落ちに関わり、アイテムによるドーピングもできないため、自身の成長か紋章士による体格補正に頼るしかありません。ここで体格成長率が5%の場合はレベルアップ20回でようやく体格が1上がりますが、”星玉の加護”の効果が加わると5回に1回に短縮できるため、全てのステータスの中で最も成長効率の伸び幅が大きいといえます。

 

 

(2)”星玉の加護”のデメリット

 

 

ここまで”星玉の加護”のメリットについて記述してきましたが、この節ではデメリットについて整理していきます。

 

まず、経験値の獲得法則について軽く触れますが、難易度が上がるにつれて獲得経験値が低くなっています。また、難易度ノーマル・ハードでは本編攻略中であったとしても、投資レベルに応じた確率で発生する遭遇戦を利用したレベル上げが可能ですが、ルナティックになると本編クリアするまでは遭遇戦の発生は稀であるため、経験値稼ぎの手段は工夫できても他の難易度と比べると限界があります。従って、難易度ルナティックの場合は”星玉の加護”の発動機会が少なくなります。ただし、数少ないレベルアップの価値を最大限活かすという意味では価値があるとも言えます。そこで、この章では難易度ルナティックを想定して議論を進めます

 

次に、”星玉の加護”を継承せずにその恩恵を受けようとする場合、装備する紋章士がチキで固定になります。チキはエンゲージ状態になると竜化して基本能力が上昇する恩恵がありますが、使用武器がエンゲージ武器固定になります。チキのエンゲージ武器は全て射程1の攻撃であるため、弓や魔法、杖などが使えなくなります。唯一強力なエンゲージ武器は重装兵種が使用可能な”こおりのブレス”(攻撃後相手をフリーズ状態にする)ですが、総合的に考えるとデメリットを被る兵種が多いと言えます。ただし、チキのエンゲージ技”神竜の祝福”または”神竜の祝福+”による獲得経験値は高めに設定されているため、低レベルのユニットの育成の際には役に立ちます。従って、紋章士チキを装備するとなると戦闘面で被るデメリットが大きくなる場合があるため、中盤以降はできれば装備を避けたい紋章士とも言えます。

 

最も頭を悩まされるのは、”星玉の加護”を継承して装備する場合だと思います。

 

まず、”星玉の加護”の継承のためにSPを1500要求され、この数値が案外痛手となります。発売初期と比べると、不思議な井戸から”スキルの書”がドロップするようになったため改善されましたが、それでも運次第では”スキルの書”が枯渇する可能性があるため、そもそも全員に”星玉の加護”を継承できる余裕があるとは限りません。特に本編11章までに加入するユニットは、初期で所持しているSPが1000以下とかなり低めであるため、そもそも”星玉の加護”継承のためにSP500以上の投資を要求されます。加えて、本編10章終了後にマルスセリカ、シグルド、ミカヤ、ロイ、リーフが離脱してしまうため、必要ならばマルスの”回避+スキル”(SP500~2500)、シグルドの”再移動”(SP1000)、ロイの”踏ん張り”(SP2000)または”踏ん張り+”(SP3000)といった強力なスキルを本編10章開始前までに継承する必要があります。これらのスキルを継承できることは前半加入ユニットの強みでもあるため、特に”再移動”を継承するプレイヤーは多いと思います。仮に”再移動”に加えて”星玉の加護”も継承するとSPが合計2500必要になり、前半のユニットで”スキルの書”を活用せずにこれだけSPを稼ぐのは至難の業と言えます。

 

さらに問題となるのは、自由に装備できる継承スキル枠が2つしかないということです。グリフォンナイトやドラゴンナイトのような飛行職は弓や風魔法で特効を受けてしまうことから、”再移動”を装備して運用した方が安定感があります。すると、残りのスキル枠が一つになり、レベルアップ時にしか効果の無い”星玉の加護”を採用するかは慎重に吟味する必要があります。(個人的には、ドラゴンナイト運用する場合は”再移動”と”速さの吸収”の組み合わせをお勧めします。)

 

ユニットによっては”星玉の加護”よりも、他のスキルを優先した方が強い場合があります。例として、私が”星玉の加護”をあまり採用しないユニットとして、ディアマンド×スュクセサールの構成を紹介します。このディアマンドの運用方法については過去に記事を投稿していますので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います(記事URL:https://n-goemon.hatenablog.com/entry/2023/09/29/063428)。

 

ディアマンド

個人スキル

【真っ向勝負】

自分から攻撃した時、相手が反撃できる場合、お互いの命中+15

 

素質

天性素質:剣、初期素質:斧

 

兵種

スュクセサール

 

武器素質

剣:S、斧:A

戦闘スタイル

連携

兵種スキル

【太陽】

技%で、敵に与えたダメージの半分HPを回復する。

 

使用武器

トマホーク(リン紋章刻印)

勇者の剣

勇者の斧

 

銀の大斧

銀の大剣 or ゲオルギオス

 

紋章士

① アイク or ヘクトルDLC

② ロイ or マルス

③ エイリーク or ルキナ

 

継承スキル

紋章士

必要SP

効果

命中+スキル

(+15以上)

 

※確定枠

シグルド

1000~2500

+10・・・SP:500

+15・・・SP:1000

+20・・・SP:1500

+25・・・SP:2000

+30・・・SP:2500

以下、自由枠(組ませる紋章士に合わせて一つ選択)

技+スキル

ルキナ

100~2000

+1・・・SP:100

+2・・・SP:300

+3・・・SP:500

+4・・・SP:1000

+5・・・SP:2000

速さの吸収

リン

2000

自分から攻撃して敵を倒すごとに速さ+2

(最大+10、戦闘マップ終了まで)

※リン装備時は不要

技・速さ+スキル

クロム/ルフレ

250~4800

+1・・・SP:250

+2・・・SP:700

+3・・・SP:1200

+4・・・SP:2400

+5・・・SP:4800

 

以下の表にディアマンドをスュクセサールで運用する際の成長率と、加入時のレベル(ロード:Lv.11)でスュクセサールにクラスチェンジした際の初期値、ステータス上限値をまとめます。

 

 

個人成長率

スュクセサール

初期値

上限値

兵種成長率

合計

(個人+兵種)

HP

75

15

90

34

77

30

20

50

15

45

魔力

15

0

15

4

22

20

10

30

14

22

速さ

40

15

55

14

38

守備

40

15

55

11

40

魔防

25

0

25

6

19

幸運

20

10

30

11

25

体格

15

5

20

10

20

合計

280

90

370

85

(HP除く)

231

(HP除く)

 

ディアマンドを運用する場合、技の上限値が22と全ユニットの中でも最低値に等しいラインであるため、”命中”をどのように補強してあげるかが鍵となります。裏を返せば、命中さえ補って仕舞えば、前衛として強力なユニットになり得ます。唯一2種の勇者武器を使用できることからエンゲージカウントを稼ぎやすく、体格が高いため高火力武器も攻速落ちを気にせず扱えます。私のお勧めは紋章士ヘクトルと組み合わせる運用ですが、ヘクトルの”切り返し+”と”太陽”の相性が非常に良く、一度でも”太陽”による回復が発動すれば”切り返し+”の発動条件(一定のHPライン)を維持しやすくなります。よって、”太陽”の発動確率を向上させるために”技+”などの能力直上げスキルを継承スキルに選択します。結果としてスキル構成は”命中+”、”技+”系スキルに落ち着きます。仮に”技+”系スキル以外を採用する場合、勇者武器での追撃を発生させやすくするために”速さの吸収”や、技と速さを同時に強化する”技・速さ+”スキルを優先するのもアリです。SPに関しては、ディアマンドは加入時にSPを800所持しているため、残り200を補って”命中+15”をとってしまえば最低限のスキル継承が完了してしまうため、”スキルの書”を節約できるメリットもあります。

 

このように、ディアマンドを専用職スュクセサールで運用する場合、比較的序盤加入でレベルアップ回数も多めであるにも関わらず”星玉の加護”の採用を避けた方が得策と言えます。追記すると、技と魔防の上限が低いためにカンストしやすく、これらのステータスは”星玉の加護”による成長率上乗せに頼るより、紋章士とのシンクロ補正やエンゲージ武器”パルティア”(装備時、魔防+5)などのような、装備するだけで補正できる効果を優先した方が恩恵が大きいです。

 

他のユニットで”星玉の加護”以外のスキルを優先した方が強いユニットとして、スタルーク(ティラユール運用の場合、”月の腕輪”)やカゲツ(”速さの吸収”や”力まかせ”スキルなど)が挙げられます。

 

 

(3)まとめ

 

 

”星玉の加護”スキルの特徴をまとめると、

 

(1)各ステータスの成長率底上げ(特に体格の補正は優秀)

(2)レベルアップ回数が多いほど有効

(3)スキル継承による運用が望ましいが、必要SPが1500と高め

(4)装備できるスキル枠が2つであり、継承して装備した場合その一つを潰してしまう

(5)効果が発動するのはレベルアップ時のみ

 

といった内容となります。ここまで”星玉の加護”のデメリットの方が強い印象を与えてしまったかもしれませんが、その恩恵をより引き出すためには避けて通れない要素であったので、やや詳しめに記述しました。

 

 

【3】”星玉の加護”活用方法・条件等

 

 

ここまで討論してきた”星玉の加護”の特徴を踏まえた上で、積極的に採用する価値がある場合について考察していきたいと思います。基準となる考え方があった方が都合が良いため、ここでは私の採用基準を軸に話を進めていきたいと思います。

 

 

(1)初期値の差を埋める

 

 

今作は初期値の差が大きいように感じている方が多いかと思います。その代表としてカゲツやメリン、モーヴなどが挙げられます。

 

ここで、私が過去に記事に投稿した”アルフレッド×ソードマスター”運用(記事URL:https://n-goemon.hatenablog.com/entry/2023/10/21/004656)とカゲツのステータスを比較してみたいと思います。

 

以下の表に①ソードマスターの兵種成長率とアルフレッドの個人成長率+星玉の加護の効果込の合計成長率と②カゲツの合計成長率(星玉無し)、③アルフレッドを初期レベルからチキを装備して運用し、下級職Lv.10でソードマスターにクラスチェンジ、その後内部レベル25まで育成した場合のステータスと、④カゲツをソードマスターのまま内部レベル25まで”星玉の加護”の恩恵無しで運用した場合のステータスをまとめます。

 

 

合計成長率(個人+兵種)

内部Lv.25のステータス

 

ルフレッド

(星玉有り)

カゲツ

(星玉無し)

ルフレッド

(星玉有り)

カゲツ

(星玉無し)

HP

90

70

42

41

65

40

21

20

魔力

20

15

5

6

65

65

25

28

速さ

75

70

26

28

守備

55

40

18

18

魔防

50

40

13

13

幸運

70

55

22

22

体格

25

10

11

10

 

(仮にアルフレッドに星玉の加護をつけなかった場合、表に示したアルフレッドの数値と同じステータスに届くのは内部レベル30の時となります。)

 

カゲツの初期値が高い理由として、初期兵種が既に上級兵種である上に、本編の進行上、神竜側の指輪が奪われて戦力ダウンしたところを穴埋めできるユニットとして設計されているからだと思われます。アルフレッドは初期値が低いとの評価が一般的かと思いますが、”星玉の加護”をつけて20回レベルアップすると、補正による+15%が20回分で全てのステータスが+3される計算になります。その結果、初期内部レベル4のアルフレッドは内部レベル25でカゲツのステータスにほぼ追いつく計算になります。

 

 

もう1人例を上げます。

 

 

ラピスを下級職Lv.10でウルフナイトにクラスチェンジし、星玉の加護を装備して内部Lv.30まで運用した場合と、メリンをウルフナイトのまま内部Lv.30まで運用した場合を比較します。

 

 

合計成長率(個人+兵種)

内部Lv.30のステータス

 

ラピス

星玉有り

メリン

星玉無し

ラピス

星玉有り

メリン

星玉無し

HP

80

65

45

46

45

30

21

19

魔力

35

25

12

14

65

55

27

29

速さ

90

70

34

32

守備

55

35

19

17

魔防

65

50

21

19

幸運

60

45

21

21

体格

20

10

10

10

 

ラピスは速さの伸びに定評があり、一般的には回避盾運用が多いと思いますが、”星玉の加護”を装備して20回分レベルアップすることで初期値が高いメリンに追いつくレベルに到達します。特に力と体格がしっかり伸びて初期値の差を埋めれる点は大きな恩恵といえます。

 

また、ここでピックアップしたアルフレッド、ラピスの運用方法には共通して「”星玉の加護”を継承せず、紋章士チキとシンクロさせるだけで良い」というメリットがあります。アルフレッドをソードマスターで運用する場合、基本的に1射程の武器がメインとなるため、チキとエンゲージした際のエンゲージ武器固定のデメリットがほぼ相殺されます。ラピスをウルフナイト運用して短剣を活用する場合はエンゲージ武器固定が強烈なデメリットになりますが、絆レベル20の状態でチキを装備すると、シンクロ補正で「HP:+10、守備:+4、幸運:+10」の補正が入り、ラピスをウルフナイト運用する場合の弱点をまとめて補強することができます。よって、この場合は、エンゲージ技で経験値を稼ぐ時以外は基本エンゲージを切らずに、シンクロ補正の恩恵のみを頼りに運用すれば十分だと思います。もちろん、将来的にはウルフナイトの戦闘スタイル”騎馬”を活かす紋章士と組ませるのが理想ですが、そこまでの育成過程でチキと組ませるというイメージとなります。

 

したがって、初期値が低めに設定されている9章までの加入ユニットは、その後のレベルアップ機会も多いことから”星玉の加護”の恩恵が大きいといえます。

 

 

(2)足りない成長率を補強する

 

 

低めな成長率を底上げできる至ってシンプルな要素ですが、中でも上記の【2】章で触れた通り、体格の成長に関する要素が大きいです。

 

例として、私が過去に記事にまとめたクロエを挙げます(記事URL:https://n-goemon.hatenablog.com/entry/2023/10/14/071616)。クロエは全体的に高めな成長率をしており、何よりも速さ成長率55%に加え、速さの変動値+3で、限界まで育てると全ユニットの中で最も速さの高いユニットの1人です。ところが、クロエ最大の欠点は体格の個人成長率が5%であるため、20回のレベルアップでようやく体格が1上がる計算となります。仮に兵種補正で体格を大幅に強化しようとすると、10%の成長率が乗るジェネラルかベルセルクになりますが、それでも合計15%で7回に1回のステータスアップできる計算になり、多くの期間を育成に費やすことになります。

 

そこで、”星玉の加護”によって15%の補正を上乗せしてあげると、兵種補正で体格成長率0%であったとしても、個人成長率と星玉の加護で20%となり5回に1回ステータスアップします。ここ最近私が投稿する記事において、”星玉の加護”を活用する場合は「体格が~に到達するのを境に他のスキルと入れ替え検討」といった記述をしている理由がここにあります。さらに副産物として、クロエは力成長率が25%と低めであるため”星玉の加護”の効果込で40%に到達し、育成における目標ラインの”合計成長率50%”に届きやすくなることで運用の幅が広がります。

 

他のユニットでは、上記のセリーヌやラピスも体格が伸びにくいユニットであるため、”星玉の加護”による補正で育成効率が格段に上がります。

 

また、兵種成長率が低めな場合も非常に役に立ちます。汎用職ではマージナイト、王族専用兵種ではアイビーのリンドブルムがお勧めです。マージナイトは両刀ができる兵種ですが、基礎値がやや中途半端です。リンドブルムに関しては幸運にアイビーの個人成長率分の15%しか入らないため、弱点を補える点で評価できます。

 

 

(3)レベルアップの機会が20回以上

 

 

【3】(1)で少し触れたように、”星玉の加護”の補正分は20回のレベルアップでピッタリ+3される計算になります。実際には個人成長率と兵種成長率の合計ですでに十分な成長率を維持できるユニットもいますが、そこにさらに成長率を上乗せすることでより強く育成可能です。とは言っても、レベルアップ機会の多い序盤加入ユニットと、21章加入のモーヴを比較すると、残りのマップ数や加入時の初期内部レベルが高いモーヴは獲得できる経験値が少なく、”星玉の加護”をつけてもそこまで恩恵がありません(ただし、本編クリア後に限界まで育成する場合は除く)。

 

一方で、16章加入のロサードは総合成長率が高めですが、初期値と体格成長率が低めであるため、”星玉の加護”と相性の良いユニットの1人といえます。しかし、16章は本編で言えば折り返し地点付近であり、残りの外伝マップ数次第ではありますが、レベルアップ機会をいかに稼げるかがポイントとなります。よって、ロサードに”星玉の加護”を継承する場合、ルキナの”パルティア”(獲得経験値2倍)や三級長から継承可能な”血統”(獲得経験値120%)などを活用し、敵一体あたりから獲得できる経験値を底上げする方法の活用をお勧めします。

 

したがって、加入時期の早いユニットほど”星玉の加護”の恩恵を効率よく受けることが可能ですが、中盤加入ユニットに”星玉の加護”を活用する場合は意識して経験値を稼ぐ必要があります。

 

 

(4)スキル枠に余裕がある

 

 

【2】章(2)のディアマンドの例で触れたように、ユニットによっては”星玉の加護”より優先すべき継承スキルが存在する場合があるので、そうした場合はSPを温存して狙いのスキル継承を行う方が良いです。一方で、シトリニカなどの序盤加入の魔法職ユニットなどは、本編10章で離脱する紋章士から急いでスキルを継承する必要はあまり無いと考えます。保険的な意味でロイから”踏ん張り”は候補に上がりますが、紋章士セネリオと組み合わせた”陽光地雷”戦術を使う場合を除いて優先度は下がります。したがって、スキル枠・SPともに余裕がある場合は”星玉の加護”に枠を割くのも一つの案かと思います。

 

特にセイジやハイプリーストなどの兵種は杖による経験値稼ぎができるのも強みといえます。

 

 

(5)上限値が高い兵種での運用

 

 

ここまではどちらかと言うとユニットの成長率・初期値に注目していましたが、兵種側に目を向けると、兵種上限値が総合的に高めな場合も”星玉の加護”を利用する価値が高いといえます。

 

いくつか例を挙げて考えて行きます。

 

まず、王族ユニットたちの専用兵種を例にとると、すでにこの記事内で取り上げたフロラージュとスュクセサールでは、フロラージュの上限値が全体的に高水準となっていますが、スュクセサールに関しては魔力・技・魔防が20前後と低めに設定されているため”星玉の加護”を活用すると早々にカンストします。そうすると、全能力成長率+15%の恩恵がいくつか無駄になってしまうため、スュクセサールは”星玉の加護”の活用を避けるという私の判断につながります。

 

私が王族兵種でフロラージュと共に”星玉の加護”を活用する価値が高いと考えているのは、アルフレッドの専用職”アヴニール”です。以下の表に、アルフレッドの個人成長率と兵種成長率、下級職Lv.10でクラスチェンジした初期値と上限値をまとめます。

 

 

個人

成長率

アヴニール

兵種

兵種+個人

+”星玉の加護”

初期ステータス

ステータス

限界値

HP

65

15

80

95

32

71

40

15

55

70

13

47

魔力

5

0

5

20

4

19

35

5

40

55

13

34

速さ

40

10

50

65

9

35

守備

40

25

65

80

13

39

魔防

20

5

25

40

8

19

幸運

40

20

60

75

13

44

体格

10

5

15

30

7

16

合計

295

100

395

530

80

(HP除く)

253

(HP除く)

 

ルフレッドは初期値が低めではあるものの、成長率自体は悪くない上に、アヴニールの合計成長率100は全兵種中最高値です。加えてステータス上限値も魔力・魔防以外高水準であるため、”星玉の加護”を活用して育成する価値がかなり高いといえます。

 

 

次に、以下の表に汎用職の例としてベルセルクグリフォンナイトのそれぞれの兵種成長率と上限値をまとめます。

 

 

ベルセルク

グリフォンナイト

兵種成長率

ステータス

上限値

兵種成長率

ステータス

上限値

HP

30

96

0

68

30

49

10

40

魔力

0

17

15

37

5

23

15

48

速さ

10

29

20

49

守備

5

20

0

27

魔防

0

11

15

35

幸運

0

23

15

25

体格

10

24

0

14

合計

90

196

(HP除く)

90

285

(HP除く)

 

これらの兵種は成長率の合計値は同じですが、ステータス上限値に大きな差があります。ベルセルクはHP・力・体格の上限値は優れていますが、それ以外のステータスが軒並み低めなため、”星玉の加護”を活用すると多くのステータスがすぐにカンストし、成長率補正が無駄になってしまいます。そもそもベルセルク運用については、多くの場合HP・力・体格の底上げを目的に経由すると思いますので、”星玉の加護”に頼らずとも伸びていきます。一方でグリフォンナイトについては、クラスチェンジしてから最後までグリフォンナイト一本での運用も可能であり、上限値の合計も全兵種中最高であることから”星玉の加護”による恩恵を長く受けられるといえます。

 

したがって、兵種の上限値が高めな場合の育成として”星玉の加護”を活用することは有効な手段といえます。

 

 

(5)まとめ

 

 

この章をまとめると、”星玉の加護”の恩恵を効率よく受けるために私が意識している条件として、

 

(1)初期値の差を埋める

(2)足りない成長率を補強する

(3)レベルアップ回数を20回以上(できれば30回以上)稼げる

(4)スキル枠に余裕がある

(5)上限値が高い兵種での運用

 

といった4つの要素があります。

 

全ての要素を満たしていなければならない、というわけではなく、明確な目的のために活用していくことが重要といえます。

 

 

【4】総括

 

 

今回は”星玉の加護”について考察していきました。FEエンゲージ発売初期から「”星玉”を使えば誰でもチートになる」といった評価を

度々目にしてきましたが、実際に使ってみるとしっかりデメリットが用意されており、チートになるかどうかもユニット次第という結論に至りました。これをどう捉えるかがプレイヤーによって意見が分かれるため、個人的に面白い要素に思います。

 

結論として、『自分が強くしたいユニットに”星玉の加護”を継承し、意識して経験値を集中させる』ことが最も運用していて楽しい方法だと思うので、まずは試しに活用してみるのもいいかもしれません。特に、今回の記事は難易度ルナティックの固定成長方式での運用をメインに考えましたが、ノーマル・ハードではデフォルトで設定されていて、ルナティックでは2周目から選択できる”ランダム成長”方式では、”星玉の加護”によって5ピンや6ピン、場合によっては全ピンも狙えるため、ステータスアップでしか得られない栄養をふんだんに摂取できます

 

ぜひプレイヤー一人一人の思うがままにFEエンゲージを楽しんでいただければと思います。

 

 

今回の記事は以上となります。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

また次の記事でお会いしましょう。

 

2023年11月18日(土)

ネギ侍