こんにちは。
ネギ侍と申します。
(Twitter:@NgPKHo1O)
私は当ブログ”ネギ侍の鍛錬場”にて普段『FEエンゲージのユニット育成論』などの記事をしていますが、今回は育成論ではなく、キャラクターの深掘りに関する考察をまとめてみたいと思います。
【1】はじめに
私は普段FEエンゲージの本編を周回プレイしており、基本的にはキャラクターの性能面や育成論に関する考察を頻繁に行なっています。こうした戦闘面の面白さを楽しむのはもちろんですが、別の楽しみ方として、「キャラクター同士の支援会話などの情報を元に、それぞれのキャラクターのバックグラウンドなどを考察して深掘りする」方法があります。”キャラ咀嚼”と呼ばれたりもしていますが、FEエンゲージは表情の変化など細部まで拘って作り込まれているため、キャラクターの心境が表情などから読み取れたりします。こうした少ない情報を元に考察し、まるで「点と点を結んで線となる」時の楽しさが”キャラ咀嚼”の魅力だと思っています。
そこで今回の記事では、以前私がX上で投稿した内容とほぼ同じではあるものの、『シトリニカとディアマンド・スタルークの関係』について書いてみたいと思います。
【2】本編
きっかけは私のブログ仲間の方の記事でした。その記事では『ブロディア王家と大公家の関係』について書かれていました(記事URL:https://marie.hatenadiary.jp/entry/2024/01/22/213314)。
今回の記事のメインとなる”シトリニカ”はブロディア王国の王族ディアマンド・スタルーク兄弟とは”従兄弟”の関係にあると、FEエンゲージの本編中で述べられています。「子供の頃から家族同然のような関係性だった」といった記述もあることから、王家と大公家は良好な関係性であったことが伺えます。ディアマンド・スタルークの父親であり、先代ブロディア王国国王”モリオン”のことをシトリニカは「モリオンおじさま」と呼んでいる描写があり、子供の頃から可愛がられていたことでしょう。。。
ここで疑問に思うのは『シトリニカの両親のどちらが王家の親族にあたるのか?』ということです。シトリニカとディアマンド・スタルークが従兄弟の関係ということは、シトリニカの両親のどちらかが
①モリオンの兄弟姉妹
②モリオンの奥さん(王妃)の兄弟姉妹
のいずれかに当たります。残念ながら、支援会話や絆会話を読み漁っても直接的な根拠は見当たらず、プレイヤーの考察に委ねられています。
結論から述べると、私は『モリオンの妹がシトリニカの母親である』と考えます。その理由についてパターン分けしながら「シトリニカの両親」について整理していきたいと思います。
(1)王妃の兄弟姉妹であった場合
王妃の兄弟姉妹の娘がシトリニカであった場合、モリオンから見ると”姪”にあたるため、ディアマンド・スタルークの従兄弟になります。
私はこの場合に関して『可能性は限りなく低い』と考えます。その根拠は、ディアマンドとスタルークの”髪の質”にあります。
”髪”というのは遺伝による影響を大きく受ける要素の一つであり、例えば”くせ毛”は両親のどちらかが該当する場合子供にも30~40%ほどの確率で受け継ぎやすいそうです(参考:https://www.hanabusa-web.com/7797.html)。また、髪の色や肌の色に関しても「両親から50%ずつ遺伝子を受け継ぐ」ため、遺伝による影響を大きく受ける要素です(参考:https://www.ruan.co.jp/column/mamechishiki/race-hair-color/)。
改めてディアマンドとスタルークを見てみると、ディアマンドの髪質はスタルークよりもややくせ毛に近く、この髪質と髪色は父親モリオンからの遺伝の影響を大きく受けていると考えられます(参考:『ファイアーエムブレムエンゲージ完全攻略本』p706)。逆にスタルークは深い青の髪色に加え、「サラッ」としたストレートな髪質をしていることから、恐らく母親からの遺伝による影響を受けていると考えられます。
王妃の髪色と質がスタルークに近いことを踏まえると、この遺伝は『優性遺伝』に相当して子供にも発現しやすい遺伝子であると考えられます。逆にディアマンドの髪色と髪質は『劣性遺伝』の発現が考えられます。王妃の髪質と色は両親から受け継いでいることになるため、王妃の兄弟姉妹にも似た性質が発現している可能性が非常に高く、その誰かがシトリニカの親に当たる場合、似たような性質がシトリニカにも現れる確率が高いはずです。ところが、シトリニカの髪に注目すると少しウェーブがかった見た目と”黄色 or 金色”のような色素の薄めな髪色であるため、ディアマンドとスタルークで言えばディアマンドに近い性質をしていると言えます。
従って、髪色と髪質の遺伝に関する考察から、『シトリニカの両親は王妃の兄弟姉妹ではない』と結論づけることができます。
ただし例外もあり、『隔世遺伝』という「祖父母」の遺伝情報が孫に現れる場合があるそうですが、ここまで議論するには情報が足りなさすぎるため今回の記事では割愛します。
(2)モリオンの兄弟姉妹であった場合
国によって国王に誰が就くかは違うと思いますが、基本的には『第一王子・王女』が就くことが多いと思います。
①モリオンが第一王子(兄弟最年長)の場合
この時、シトリニカの親候補はモリオンの『弟か妹』の2択となります。
この場合の”妹”は第一王女に当たりますが、年上のモリオンが国王になるのはある意味自然な流れといえます。ファイアーエムブレムの世界で女性が”嫁ぐ”という概念があるかはわかりませんが、『王女が嫁ぐ』となれば国にとって非常に重要な出来事であるため、相手もそれなりの実力者が選ばれることと思われます。結果モリオンの妹の第一王女が嫁いだとして、その一家が大公家となり、その娘の”シトリニカ”がディアマンド達と「まるで家族のように過ごした」と言われてもすんなり理解できると思います。
では、第二王子に当たるモリオンの”弟”がシトリニカの父親である場合を考えます。
モリオンと弟の関係性は、今で言うところのディアマンドとスタルークの関係と正に同じといえます。従って、仮に父親モリオンに”弟”がいた場合、同じ境遇のスタルークの口から何かしら言及されていてもいいはずです。実際にはそういった内容は見当たらないため、そもそもモリオンに弟がいなかった可能性が高いと思われます。
ただし、モリオンの弟がシトリニカの父親で大公家の爵位であっても何ら不思議はありません。
この場合、勇ましさと強さを兼ね備えた兄(モリオン)と自分との差を埋めるべく「陰で努力する」タイプであって欲しいと個人的に思います。子供というのは親の背中を見て育つものであるため、シトリニカは幼少期に陰で訓練に励む父親を目にしていたからこそ、いざ自分が王城兵としてスタルークに仕えることになった時に頑張ることができた、と考えることができます。
この節をまとめると、『シトリニカは”モリオンの妹の娘”である可能性が高い』といえます。
②モリオンが第二王子の場合
この場合、兄の第一王子がいるにも関わらず第二王子のモリオンが国王になったことになります。基本的な考察内容は「モリオンの弟」に関することと類似しますが、両者とも実力者で先代国王によりモリオンが新国王に指名された場合、その後必ず何かしらのいざこざが起きる可能性が高いと思われます。もしそのような状況になった場合、娘のシトリニカと従兄弟のディアマンドやスタルークと「家族のような」関係性を築くことは非常に困難であると言えるため公式の設定と矛盾が生じます。
場合によっては、兄がいたものの戦場で命を落とした可能性も考えられますが、この場合娘のシトリニカが生まれない、または生まれたとしても本人の口から「亡き父の~」といった言及があってもおかしくないですが、こうした要素は見られませんでした。
従って、シトリニカの父親がモリオンの兄である可能性は限りなく低いと考えられます。
③モリオンが第一王子であり、第一王女の姉がいた場合
この場合、第一王女の姉を差し置いて第一王子のモリオンが国王に就いたことになります。
ここで気になる支援会話として、スタルークとザフィーアの会話の内容で「スタルークの母親は王都から離れた場所に避難している」ことが明かされています。また、ザフィーアの支援会話から「イルシオンとの戦闘で両親や親友を失った」と言われています。モリオンは血気盛んな性格であることから、ディアマンド達くらいの年齢の時は戦場で暴れていたと容易に想像できます。
「では、その時姉はどうしていたのか?」
ということがポイントになります。それなりの戦闘能力を持っていたならば戦場で戦う・指揮を取るなどしていたと思いますが、戦闘能力を持ち合わせていない場合は避難して生き延びているはずです。戦場に出れば命を落とす危険もあるため、仮にモリオンが戦死した場合にその姉が国王に就くことで、その後の戦闘に大義名分として国民をまとめることもできます。
ここで、姉に一定の戦闘力があったと仮定します。
姉の戦闘スタイルに注目してみます。イルシオン姉妹は少し事情が異なるものの、他国の王族を見てみると基本的に「近い成長率傾向」をしています。以下の表にフィレネ、ブロディア、ソルム各国の王族ユニット達の個人成長率をまとめます。
|
フィレネ |
ブロディア |
ソルム |
|||
アルフレッド |
ディアマンド |
スタルーク |
ミスティラ |
フォガート |
||
HP |
65 |
50 |
75 |
65 |
55 |
60 |
力 |
40 |
35 |
30 |
30 |
25 |
30 |
魔力 |
5 |
25 |
15 |
10 |
25 |
25 |
技 |
35 |
30 |
20 |
40 |
45 |
30 |
速さ |
40 |
45 |
40 |
45 |
45 |
55 |
守備 |
40 |
30 |
40 |
30 |
30 |
30 |
魔防 |
20 |
40 |
25 |
20 |
30 |
35 |
幸運 |
40 |
50 |
20 |
15 |
30 |
25 |
体格 |
10 |
5 |
15 |
10 |
10 |
10 |
合計 |
295 |
310 |
280 |
265 |
295 |
300 |
ざっくりまとめると、アルフレッドとセリーヌは力・幸運が伸びやすく、ミスティラとフォガートは力・魔力共に満遍なく伸びる傾向にあります。
ディアマンドとスタルークは物理攻撃を得意とする成長率傾向をしており、兄弟同士がここまで似た傾向を、しかも国が違っても同様に設定されていることは”偶然”とは思えません。よって、この成長率傾向は『親の遺伝』と考えられます。
この仮説を基にモリオンの姉の戦闘スタイルを考えます。
この議論を進める上でシトリニカの個人成長率は無視できないため、以下の表にシトリニカの個人成長率と加入時の初期値をまとめます。
|
個人成長率 |
初期値 |
HP |
45 |
24 |
力 |
10 |
2 |
魔力 |
40 |
15 |
技 |
25 |
13 |
速さ |
30 |
10 |
守備 |
20 |
3 |
魔防 |
40 |
12 |
幸運 |
25 |
10 |
体格 |
5 |
4 |
合計 |
240 |
69(HP除く) |
(1)モリオンの姉の”力が伸びやすい”場合
戦闘で生き延びたのちに結婚して”シトリニカ”が生まれた場合、親の成長傾向を受け継いでシトリニカも力が伸びやすくなると考えられますが、上記の通りシトリニカの力成長率は10%とお世辞にも得意な能力傾向とはいえないため、この場合は戦死したか、シトリニカの母親ではないと思われます。
(2)モリオンの姉の”魔力が伸びやすい”場合
シトリニカは魔力成長率が40%と高めの傾向であり、且つ限界値まで成長した場合、シトリニカは全ユニットの中で最も魔力が高くなります。従って、母親の魔力が伸びやすい傾向を娘のシトリニカが受け継いでいてもおかしくはありません。
よって、戦闘スタイルの傾向から、姉の魔力が伸びやすい場合に限り『モリオンの姉がシトリニカの母親』であることが成り立ちます。ただし、この成長傾向は『モリオンの妹がシトリニカの母親』である場合も同様です。
『モリオンの姉または妹の魔力が伸びやすい』根拠として、モリオン自身のステータスからも読み取れます。モリオンは本編10章で敵対することになりますが、この時「兵種:ブレイブヒーロー」で出現します。ブレイブヒーローは魔力成長率・基礎値が共に0であるにも関わらず、敵対した時の魔力が6あるため自身の個人成長率が反映されたものといえますが、本編推奨レベルを考慮するとモリオンはディアマンド・スタルークよりもやや高めの魔力成長率を有していると考えられます。従って、モリオンとその姉・妹は両親の成長傾向を受け継ぎ、比較的高めな魔力成長率を持っていた可能性が高いと考えることができます。
④まとめ
シトリニカの両親のどちらかがモリオンの兄弟姉妹に該当する場合、可能性が高い順に
- 妹が母親
- 魔法が得意な姉が母親
- 弟が父親
- 兄が父親
という序列になり、その中で本編の支援会話などと矛盾しない組み合わせとして『モリオンの”妹”がシトリニカの母親である』可能性が最も高いという結論に至りました。
【3】後書き
今回の記事の内容は、以前私のXで投稿した内容を清書する形となります。キャラクターの深掘りを今まであまり経験したことがなかったため考察自体に穴があるかもしれませんが、もし有識者の方がいらっしゃいましたら容赦無くコメントでご指摘いただければと思います。
余談となりますが、”目の色”にも注目していました。よく見てみるとシトリニカとディアマンド、スタルークは似た目の色をしてします。目の色も遺伝による影響を受けるそうですが、「生まれ育った環境によって変化する」そうなので本編からは外しました。具体的には「日照率が低い地域で生活している人の目の色は薄い色(青白いなど)になる傾向が多い」そうです。FEエンゲージの舞台であるエレオス大陸で言えば雪国のイルシオン王国が最も日照率の低い地域と考えられ、ロサードの目の色はより顕著に薄めの色となっています。また、紋章士カムイは原作『ファイアーエムブレムif』で「白夜王国で生まれ、暗夜王国で育てられた」という設定があり、暗夜王国はあまり日が照らない国であることからも目の色が薄めとなっていると思われます。こうした視点からキャラクターのバックグラウンドを考察してみるのも面白いかと思います。
初めてチャレンジしたキャラクターの深掘りでしたが、私自身勉強になることも多くとても面白かったです。何か気になる話題があれば、再びチャレンジしてみたいと思います。
今回の記事は以上となります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。
2024年1月31日(水)
ネギ侍