こんにちは。
ネギ侍と申します。
(Twitter:@NgPKHo1O)
今回は私の好きなゲームの一つである、ファイアーエムブレムエンゲージに関する記事となります。
これまでの記事ではユニットの育成論を多く投稿してきましたが、今回の記事は一風変わった記事となります。
また、この記事には本編のネタバレも含まれますので、ご注意ください。
尚、この記事で使用しているデータなどは以下のサイトを引用しています。
・https://kamigame.jp/fe-engage/index.html
・https://www.pegasusknight.com/wiki/fe17/
・https://www.shogi.or.jp/knowledge/shogi/03.html
【1】導入・緒言
ファイーエムブレムはシミュレーションロールプレイングゲーム(SRPG)に分類されるゲームであり、戦術性と物語性・成長システムを併せ持つャンルです。事前に用意した戦術を念頭に状況に応じて進軍し攻略していく過程で、度々”将棋”のように感じることがありました。将棋は実際に”戦”が元になっているという話を聞いたこともありますが、各駒それぞれに特色があり、プレイヤーは駒の特性を理解して戦術を立て、状況に応じて手駒を活用しつつ相手の王将(または玉将)を詰めに行きます。
先日、私はエンゲージのルナティック周回プレイで最終章までクリアし、新たなスキル構成や様々なユニットを試すことができました。私はここ最近考察記事を投稿していたこともあり、「そのユニットにどういった役割を担わせるか」といったことを考えながらプレイしていました。期待する役割に応じて継承スキルを吟味し、一部のユニットに関しては時折スキルや紋章士を変えつつ運用していました。このタイミングで自分が組んだ編成を将棋の駒に当てはめてみたいと考え、今回の記事の執筆に至りました。
今回の記事はコンセプト上、攻略に関わらない雑談的内容になります。また、将棋は相手から駒を取ったり取られたりして持ち駒を増やすことができますが、ファイアーエムブレムエンゲージでは相手に取られる(=ロストする)ことは想定していないため、その点では本来の将棋とは異なります。
【2】将棋の駒の特性
はじめに、将棋の駒がどのような特徴を持っているか整理していきます。
まず、対局開始時の将棋の盤面(省略版)を以下に示します。
盤面全体の初期配置は(https://www.shogi.or.jp/knowledge/shogi/01.html)に記載されています。
初期の各駒は表の状態ですが、相手陣営に入った際”成る”ことができます(例外有り)。
各駒の動き方について以下に詳細を示します。
各図の色づけしてある場所が駒の動ける範囲です。基本的には一マスずつ動けますが、香車は全方直線、飛車・竜王は縦横直線、角行・竜馬は斜め前・斜め後ろ直線であればどこまでも進むことができます。
”成る”後の表記は一例を示しますが、記載方法は様々です。
【3】編成のユニットと将棋の駒の役割比較
私が実際に本編クリアした編成を将棋の駒に例えた場合について、以下の表にまとめます。
ユニット |
兵種 |
紋章士 |
将棋 |
リュール |
神竜の王 |
王将 |
|
ヴェイル |
邪竜の娘 |
カムイ |
|
スタルーク |
ティラユール |
リン |
|
オルテンシア |
桂馬 |
||
ゴルドマリー |
シグルド or |
||
カゲツ |
三級長 |
飛車 |
|
ディアマンド |
スュクセサール |
ヘクトル or アイク |
角行 |
フロラージュ |
セネリオ or ベレト、リーフ |
歩兵 |
|
アイビー |
リンドブルム |
絆の指輪 (ダイムサンダ) |
|
セアダス |
ダンサー |
チキ or カミラ |
|
シトリニカ |
セイジ |
ヴェロニカ or ベレト |
|
メリン |
スナイパー |
エイリーク |
|
ゼルコバ |
ウルフナイト |
||
モーヴ |
グリフォンナイト |
ロイ |
(1)王将:リュール&マルス
将棋のルール、FEエンゲージの敗北条件どちらを考えても王将はリュール一択でした。王将は初期から全方向に動けるため、今作の紋章士のスキルを自由自在に扱える竜族である点もシナジーがあります。リュール自身技や速さが伸びやすく、回避型ユニットとして生存能力も高い大将であると言えます。
(2)金将:ヴェイル&カムイ
リュールと同様に竜族で紋章士を自在に扱うことができる点は共通していますが、金将は王将の隣支える駒であり、兄・姉と妹の関係がよく表現できると思いました。金将は攻め駒としても十分通用するほど強力であり、ヴェイルの性能とも合っていると感じました。
加えて装備したカムイによる竜脈でのサポート、エンゲージ技やスキルでのデバフ効果などによる戦闘補助も非常に強力でした。
(3)銀将:スタルーク&リン
スタルークは本編7章から加入する弓を扱うユニットであり、専用兵種ティラユールの兵種スキル”月光”が強力です。銀将は斜め方向に動くことができる点も弓との関係性が似ている点も評価できました。
スタルーク&リンの組み合わせが銀将とシナジーがあると感じたのは、将棋における”棒銀”という戦術にあります。”棒銀”は「銀将を棒のようにまっすぐ進める戦法」であり、多くの場合は飛車と組み合わせて盤面を進めます。速効性に優れ、対応を間違うと自陣に大ダメージを与えられかねない破壊力を持ちますが、代わりに孤立するなどのリスクがあります。裏を返せば相手から注意を引きつける囮のような作戦とも取れるため、紋章士リンのエンゲージ技”流星群”での釣り出しや”残像”による囮、加えてスタルークの”月光”による破壊力を含めて銀将とのシナジーを感じました。
参考までに、私はスタルークに”月の腕輪”(自分から物理攻撃をした時、相手の守備の20%をダメージに加算する)と”竜呪”(自分から攻撃した時、戦闘後相手の全能力-4)というスキルを継承し、先発で攻撃する役割を担っていました。
(4)桂馬:オルテンシア&ミカヤ
桂馬は将棋の全ての駒の中で最もトリッキーな動きができると言っても過言ではありません。私は小さい頃兄と将棋をしていたとき、この桂馬の動きに何度も翻弄された苦い記憶があります。オルテンシアはなんと言っても杖を使う上で理想的なステータスとスキルを持っており、ミカヤのエンゲージスキル”増幅”(杖の射程、または転移などの距離+5、杖の効果範囲+1)と相まって、杖一回で戦況を大きく変えることができます。
私が運用していた中で一例を挙げると、本編23章においてオルテンシア&ミカヤのドローで敵のフリーズ持ち複数体を一本釣りできたことで、これまでの周回で困らされてきたフリーズ持ちを完封することができました。オルテンシアの専用兵種スキル”大樹”により杖の消費を抑えることができたため、ドローを制限回数の倍である6回使うことができました。アイスロックで最大5か所氷柱を発生させることで敵の進軍を妨害できる点も使いやすかったです。
香車は前一直線にはどこまでも進むことができます。この特徴によって香車は”槍”とも言われており、スレンドスピアやブリューナクで敵陣を崩す役割をゴルドマリーで担っていたため、香車とさせていただきました。
ブレイブヒーローで加入した後グレートナイトで運用していましたが、最終的にはパラディンで運用しました。ゴルドマリー自身の高い初期値が相まって守備だけでなく魔防も伸び、個人スキル”溜め息”(敵が男性ユニットの時、敵の命中-20)も加わって回避性能も向上しました。こうした複数兵種でそれぞれ違った強さを示すことができたため、香車が成った後に金と同じ柔軟な動きをできるようになる点も考慮しました。
(6)飛車:カゲツ&三級長
飛車は縦横真っ直ぐどこまでも進むことができ、成った後竜王になるとさらに斜め方向に一マスずつ動けるようになるため、攻める上では隙がない最強格の駒とも言えます。飛車に最も適するユニットとしては、物理職として数多くの敵を殲滅し続けたドラゴンナイトカゲツ一択でした。
カゲツは元々技・速さ・幸運が伸びやすく、成長率が低めな力についてもドラゴンナイトの補正込みで50に到達し、物理職としては理想的なステータスの伸び方をします。初期兵種ソードマスターのままでは1射程武器しかまともに扱えませんでしたが、ドラゴンナイトで槍や斧を使えるようになることでスレンドスピアやトマホークなどの強力な武器を使用できるようになります。私は剣と槍で使っており、錬成強化したキルソードで時折必殺ガチャもしていましたが、攻撃を仕掛けるとほぼ確実に倒し切り、攻めてきた敵の大半を返り討ちにしました。
スキル構成は”速さの吸収”(自分から攻撃して敵を倒すごとに、速さ+2、最大+10まで)により敵を倒しつつ速さを伸ばして回避・追撃を取れるようにし、”再移動+”(行動後、3マス移動できる)でヒットアンドアウェイ戦法をとっていました。
角行は斜め方向はどこまでも動くことができ、成った後に竜馬になると前横1マスずつ動けるようになり、一説では「攻めの竜王、守りの竜馬」とも呼ばれているようです。もちろん攻め性能も申し分ない強力な駒であり、序盤から壁役としてもパーティをさせ続けたディアマンドを角行としました。
ディアマンドを角行にした大きな理由の一つに、ヘクトルと最も多く組ませたユニットである点も大きいです。ヘクトルのシンクロスキル”角の呪い”(HP最大の時、最大HP20%を消費して自分の斜め4マスに1ターンの間敵が侵入できなくなる「角の睨み」コマンドが使用できる)により、味方を守る動きを使っていました。HP消費のデメリットもありますが、ディアマンドのHPの高さとヘクトルの性能が相まって壁役としてとても信頼できるユニットでした。
スキルとしては”命中+20”を継承したことで攻撃・反撃問わず命中が安定するようになり、ヘクトルのスキル”切り返し+”による反撃時の殲滅力が上がった点も評価しました。
(7)歩兵
歩兵は手持ちの駒の中で最も枚数が多く、初めは1マスしか動けないことからも他の駒に比べて大味な動きはできませんが、成って”と金”になると革命が起きます。また、「歩のない将棋は負け将棋」と言われるほど重要な駒と位置付けられます。特に中終盤においては持ち駒に歩があるかないなによって戦況をひっくり返されることもあるため、大事に扱うべき駒とされています。こうした点を踏まえた上でユニットを紹介して行きます。
[1] セリーヌ&セネリオ or ベレト or リーフ
セリーヌは初期兵種では剣と魔法が使えますが、専用兵種フロラージュにクラスチェンジすると杖も振れるようになります。加えて兵種スキル”華炎”(技%で、魔法攻撃には力の半分を、その他の攻撃には魔力の半分をダメージに追加する)により、物理・魔法問わず火力が伸びる点も唯一無二の特徴です。紋章士3人を章に応じて使い分けていた点からも、全ユニットの中では縁の下の力持ちとして長く支え続けてくれました。
[2] アイビー(絆の指輪:オルエン、ダイムサンダ)
アイビーは初期兵種・専用職の上級兵種ともに魔法・杖が使える飛行魔法ユニットであり、ダイムサンダによる攻撃性能に加えて回復だけでなく、ワープ・レスキューなどでのサポートも行なってくれました。オルテンシアと同様に飛行兵であることによる自由度の高さが使い勝手よく、敵を倒し切るだけでなく射程外からの大きな削りをしてくれました。リュールとエンゲージした時の破壊力は目を見張るものがありました。
[3] セアダス&チキ
セアダスは今作の踊り子枠のダンサーという兵種で、味方を再行動させることができます。セアダスはターン制限のあるエンゲージ状態で味方の行動回数を増やせる点で、これまでのファイアーエムブレムシリーズにおける踊り子の中でも屈指の存在感を発揮していると言えます。紋章士は悩んだ末チキをつけていましたが、一度もエンゲージすることはありませんでした…
[4] シトリニカ&ヴェロニカ or ベレト
シトリニカは中盤はマスターモンク、後半はアタッカーを増やすためにセイジで運用し、ヴェロニカとベレトで使い分けていました。魔力がよく伸びるため杖による回復量が多く、アタッカーとしての火力も申し分ない、加えてパーティ編成にシトリニカと支援効果のあるユニットが多かった点も重要であり、ある意味最も配置を気にしていたユニットでした。シトリニカは耐久面が不安であるため、攻撃する際に敵から反撃を受けないヴェロニカのエンゲージ武器”フリズスキャルブ”、セイジ運用した際に魔法攻撃の射程を伸ばせるベレトのテュルソスの杖との相性が抜群でした。
[5] メリン&エイリーク
編成に弓を使えるユニットが2人欲しかったため、速さも伸びやすく魔力の初期値も高めだったメリンをスナイパーとして運用しました。ただし、メリン自身火力が出しにくかったため、エイリークと組ませて運用しました。”速さの吸収”を装備して敵を倒しつつ速さを伸ばして戦闘のテンポをとっていけるよう意識して運用しました。エイリークとのエンゲージ状態での破壊力も大きく、後半セアダスに再行動してもらった回数がトップクラスに多いユニットでした。
[6] ゼルコバ&ルキナ
ルキナのシンクロスキル”デュアルアタック”(自身の戦闘スタイルが「連携」でなくてもチェインアタックに参加できるようになる)に加え、”デュアルアシスト+”(自分が攻撃可能な範囲(移動距離+射程)にいる敵に味方が攻撃した時、自分が戦闘スタイル「連携」かスキル「デュアルアタック」を使えるなら70%の確率でチェインアタックに参加する)により、チェインアタックによる固定ダメージと毒によるダメージ増加は非常に強力でした。ただし、この運用はゼルコバ以外にもできることなため、ゼルコバの良さを十分に引き出せなかったと反省しています。
[7] モーヴ&ロイ
パーティの補完枠としてぴったりハマりました。オルテンシアが杖のスペシャリストでしたが、ドローなどの妨害杖やワープ・レスキューなどのサポートに専念させ、他に杖を使えるユニットは自ら攻撃を仕掛けることが多かったために回復役が心許なく、グリフォンナイトにしたモーヴに回復役を担ってもらいました。モーヴもワープやレスキューが使えるため、場合によっては杖を借りて代わりにサポートする動きもしました。加えて初期値の高さもあり、特効を除いて1発なら如何なる攻撃も耐えうる耐久力をしていたことも心強かったです。さらにサポートだけに留まらず、ロイによる物理火力強化とエンゲージ技による1ターンの足止め、命中強化の刻印を施した炎の槍による削りなど、終盤の補完枠としてパーティに必要不可欠な存在でした。
【4】総括
今回の記事では、私がFEエンゲージのルナティックをクリアした際のパーティ編成を元に、将棋に当てはめて考察をしてみました。今回の記事は一例に過ぎませんが、この面白い点は、育成の仕方を少し変えるだけで違う駒とのシナジーが生まれる点にあります。こうして自分の好みのユニットを思い思いに育成することで無限の戦術が生まれます。これこそ正にSRPGの醍醐味だと思いますので、1人でも多くの方にFEエンゲージを楽しんでいただけることを望みます。
今回の記事は以上になります。
ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。
2023年5月29日(月)
ネギ侍